シェフが毎日手書きするメニュー、豚のリエットのアミューズ、イワシとジャガ芋の重ね焼き、タケノコとフォワ・グラの田ぜり添え トリュフ風味、ヤリイカのクールジェットづめ セルフィーユの香り…etc。
1986年開業の老舗フランス料理店「ラ・ブランシュ」には、長年愛され続けているスペシャリテがいくつもあります。
フレンチらしい素材と、身近な素材や日本ならではの素材を組み合わせた料理が得意。お客様の期待を裏切らない美味しさをキープするには、例えばジャガイモひとつとっても、毎日異なる状態を見極め、微妙に味つけや調理の加減を施すといった絶え間ない努力と工夫がその陰にあるからこそ。決してルーティンワークになってはいけない、いつも新鮮な気持ちで緊張感を持って料理に取り組みたいと田代和久オーナーシェフは語ります。
このページで掲載している「千代幻豚のロティ 山菜のベニエ添え」は春の料理。
豚の脂とエミール ノエル オーガニック エキストラヴァージンオリーブオイルを使って焼き上げた肉に、ビール入りの衣をまとわせてさっくり揚げた山菜、下に忍ばせたリ・ソヴァージュ、アサリと麦をのせた新玉ネギのエチュベ、トマトのコンフィが添えられています。
一見、ワイルドな雰囲気ですが、食してみると、それぞれが繊細な味わいであり、食べ進むほどにもっと食べたいと感じさせてくれます。
「素材の味を突き詰めて、ストレートに伝えたい、インパクトのある皿を作りたい。しかしそれは、ただ単に焼いたものだけ盛るということではないと私は思います。目先のアレンジや流行にとらわれるのでもない。自分のテロワール(生まれ育った環境)を基盤に、自分の体の中を通して、自分が本心で食べたいと思う料理を作ること。理想とする味がまず頭の中にあって、そこに向かってできるかぎり近づけていく、それが私のやり方です」
田代シェフは福島県川俣町の出身。地元の食材の復興にも尽力する日々を送っています。
ラ・ブランシュは、表参道駅または渋谷駅下車、青山学院大学西門前。18席の小体で温かみのあるダイニングは、フランス料理を食べ慣れていない人や初訪問の人であっても、緊張を強いられることなく、まるで長年の常連客のようにリラックスして楽しめることでしょう。大切な家族を連れていくのにおすすめのレストランです。