五十嵐 安雄 氏
1955年山形県出身、兵庫県で育つ。東京・神田のロシア料理店「バラライカ」で1年サービスを経験、箱根「小田急 山のホテル」「小田急 箱根ハイランドホテル」で計7年修業。’80年より3年間フランス修業。六本木「オー・シザーブル」、勝どき「クラブ・ニュクス」のシェフを務め、’93年表参道「アンフォール」開業(現在閉店)。’96年銀座「ル・マノアール・ダスティン」、’98年銀座「カーヴ・ド・ヴィーニュ」を開く。2008年、ル・マノアール・ダスティンは銀座8丁目から6丁目に移転。
「私自身は定番に固執せず、かといって流行を追うのでもなく、今の自分が一番食べたいと思う料理を作る、というスタンスでやっています」
東京都中央区銀座6-5-1 MSTビルB1
電話 03-5568-7121
www.le-manoir-dhastings.com
昼のコース 3600円/4800円/6500円
夜のコース 8500円/1万500円/1万3000円
無休
※ コース価格等のデータは取材時のものであり、変更の可能性もあります。また、掲載した料理は一例であり、常時提供されているものではありません。詳しくはお店におたずね下さい。
毎朝築地に通い続けて約30年になる、銀座「ル・マノアール・ダスティン」のオーナーシェフ、五十嵐安雄氏。甘鯛、車海老、アワビ、カキなど、その日仕入れた新鮮な食材はワゴンに並べられ客席へ。お店の方と相談しながら、ア・ラ・カルトでオーダーするのが同店でディナーを堪能する一番の方法です。もちろん、初めての方ならば、コースにするのも良いでしょう。最初の1品におすすめされるのが「人参のムースとコンソメのジュレ ウニ添え」。五十嵐シェフのスペシャリテで、リピーターにも不動の人気メニューです。類似のメニューを他店でも見かけるかもしれませんが、五十嵐シェフはこの料理を1989年に考案、野菜が主役のフランス料理はまだ珍しかった時代です。また、彼の元で修業して巣立っていった後輩たちがこの料理を受け継ぎ、世間に広まっていった経緯があります。なお、この料理はランチタイムのプリフィクスコースでも選択が可能です。
ウナギ、スッポン、クジラ、内臓類や鳩、馬肉、イタリア産仔豚などの個性的な素材が目立つのも、このお店ならでは。いずれも、素材の組み合わせの妙味と、カレーなどのスパイスをほんのり効かせた上品な味わいが楽しめます。写真の料理「鮎のガトー仕立てと胡瓜のサラダ 稚鮎のフリットと共に」は2012年の初夏から9月中旬まで提供。鮎のムース、鮎のフォンのジュレ エストラゴン風味、真空調理した鮎の身、肝のムースをお菓子のように層にしたもの。稚鮎は生きたものを使用しています。
「鮎は好きな素材なので毎年使いますが、どんな料理にするかはその年により変わります。人参のムースのように、お客様からリクエストをいただいて長年提供する料理もいくつかありますが、私自身は定番に固執せず、かといって流行を追うのでもなく、今の自分が一番食べたいと思う料理を作る、というスタンスでやっています」(五十嵐シェフ)
銀座・数寄屋橋交差点よりすぐ、一歩店内に入れば外の喧噪を忘れる地下にあり、広々とした空間にゆったりテーブルが配置されています。無休で、プライベートからビジネスまで、さまざまなシチュエーションに対応できるレストランですので、ぜひ、アドレス帳に入れておきましょう。ワイン好きな方には、ベテランのソムリエールが応えてくれます。